先生が最初で最後だよ
「あっ、太田先生!」
まさかさっきの話聞いてないよね。
太田先生は、
長い足で自転車をまたぎ、スポーツマンの笑顔で理奈を見た。
「帰り道はこっちなのか?」
「いえ、
携帯を教室に忘れたんで、戻ろうと思って。
先生は帰りですか?」
「ああ☆
嫁の美味しいご飯を食べに帰宅☆
お前も早く彼氏でも作れ!!!」
ポンっと理奈の肩を叩くと、白い歯でニッコリ笑ってきた。
「じゃあな☆」
「さようならぁ」
先生の薬指には
指輪。
まいの言っている意味が分かった。