勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
「ぷっ…ーぷふ…」
耳に届くのは彼の口から漏れる息?
「佐和さん?」
問い掛ければ問いかけるほど体の震えは大きくなって、
「ぶはっ…ぶふふふふ…」
え?
佐和さん、もしかして笑いを堪えてたの?
彼から一旦体を離してから見上げるようにして彼の顔に視線を向けると、
「悪い…笑うつもりはなかったんだ」
言葉とは反対に佐和さんは顔を歪めて笑っていた。
「笑わないで下さい」
自分の大胆な行動を思うと、それだけでも恥ずかしいのに笑われたら、どうしていいかわからないよ。
「誤解しないでくれ。紫衣を笑った訳じゃないんだ」
佐和さんの口にする言葉の意味がわからない私は首を傾げるしかなくて、
「そのベビードールが原因だったのかってわかってホッとしたのと、また芽衣ちゃんにやられたなって思ったら笑えたんだ」
笑いを治めてから説明してくれる佐和さん。
話し終えると、またクスクスと笑い出した。
「いつもいつも嶋田と芽衣ちゃんにはやられっぱなしだな」