勝利の女神になりたいのッ!~第2部~
そのまま、もう一度佐和さんは私を抱き寄せてから耳元で甘く囁く。
「こんな風に芽衣ちゃん達が準備をしてくれたんだから応えなきゃな」
「はいっ」
佐和さんの囁きに元気一杯応えた後、言葉の意味を考えて彼の腕の中で急に恥ずかしくなった。
なんだか張り切ってるみたいで…
「あのっ!違うんです。張り切ってる訳ではなく…」
「じゃあ、嫌なの?」
思わず出てしまった言い訳じみた言葉に佐和さんは間髪を入れずに問いかけてきて、
「え?」
軽く混乱する私に更に佐和さんは言葉を駆けてきた。
「紫衣はどうしたい?」
背中に回る佐和さんの腕にぎゅっと力がこもって苦しいほどに抱きしめられた。
苦しくて…
だけど、その苦しさが嬉しい。
大好きな佐和さんと一つになりたい。
彼の熱で溶けてしまいたい。
もっと触れて欲しい。
佐和さんにもっと近付きたい。
たくさんの言葉が私の頭を駆け巡る。
だけど私の口から出てきた言葉はたった一言だった。
「私を佐和さんで咲かせて下さい」