雪情
【車酔いー18】


そんな中、
山道を下る途中
内藤は心配そうに言った






「田崎さん
大丈夫ですかね………」






さすがに
内藤は雪男の話を聞いて

元気が出ない様子である







「心配しなくても
あの人はきっと無事だ」







山本はそう言うが、
無事だと言う根拠はない






「そうですね……
あの人なら
大丈夫そうですしね」






「そうそう、
たくましいんだから。

それに
絶対山に登ったワケでも
ないだろう?」






「100%とは
言えませんが、
あの人なら
まず登りますよ。

自分には
何となく分かるんです」






「まあ、
俺も何となく分かるな
あの人の性格」







二人は
田崎の性格が
分かっているようである







事実田崎は
今雪山にいるのだから、
的は外れていないようだ







「でも
田崎さんは性格が
分かるのですけれど、

雪男の性格は
分かりかねませんね」






「ああ、
俺も聞いてはいたからな

不思議な話だったな」






「そうですよ。

どうして
雪男に襲われた時、

あの男の人だけ
助かったのですかね?

それにその相方さんも、
様子がおかしかったと
いうのも
気になりますよ」







「プロの猟師だから、
ただ大男だからといって
人を撃つワケでも
ないし、

追ってきただけで

発砲することもない
はずだがな………」





考えれば、
ますます謎は深まる
ばかりである
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