雪情
【二人目の死者ー2】


しばらくすると小川は、
体勢を崩さないまま
聞いてきた。







「………大久保。

……一体
何があったんだ?」






微かに震えながらも、
大久保は答えた。







「来た時には
戸は開かれていて、

入ったら
既にこの状態だったん
です………」






と言うと、
そこに白井が質問を
入れる。






「これは自殺か?
他殺か?」






すると大久保は答えた。






「間違いなく他殺ですね

猟銃がこんなとこに
落ちていて、

銃筒から
まだ煙が出ています」





見ると
川上の銃が転がっていた





その筒からは
まだ煙を発していて、

死体とは大分離れている
ドアに近いとこにあった






犯人は川上の銃を奪い
撃ったものとみられる。






遺体にも
少し争った後も
見受けられる。







次は
田崎が大久保に
話を聞いた。






「倒れている位置も

最初に見た時と
変わっていませんかね?」







川上は
部屋の中央に近い位置で
横たわっている。






「はい、変わりません。

それとここに着く前に
チラッと見たのですが…」






「何をですかね?」






「最初は目の錯覚だと
思ったのですが、

この小屋から
何か大きな白いものが
出て行くように
見えたのです」






「それは、まさか……」






それを聞いた小川は
ピクリと反応した。


そして、



「…またヤツかよ……」






と急にそう言うと、
フラリと立ち上がった。






その服には
川上の血がベッタリと
ついていた。





余程の血の量と
分かるであろう
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