雪情
【唐辛子団子ー3】


このままじゃ
体力が尽き、

この場で
朽ち果ててしまうことに
なる。






これ以上進んでも、
麓についてしまう
だけかもしれない。






(仕方ない……

引き返そう)






来た道を振り返った。


その時、


ボト……







林道の左側から、
何か落ちるような
音がした。






「ついに現れたか!!」






小川は
勢いよく音のする方に
飛び込んだ!!






しかし、
そこには何もなく、

何者かが潜んでいる
気配もない。






今の音は
雪が落ちる音であったが

小川は雪男がいると思い

間違えて飛び込んだのだ





「ちっ」






雪男がいないことを
残念がり、

道に戻って
再び戻り始めた。






このように確認すれば、
物音などしょせん
その程度であり、

何もないことが分かる。






もちろん普通の人には

こんな行為はできまい。






今の小川だからこそ

できることなのだ。





勢い良く
どんどんと登って行く。



やはり登りの方が
楽のようである。






登っているのに、
逆に疲れが
取れていく感じであった






それは
下りに体力を使ったので

登りが楽に思い、
疲れが取れるように
感じただけである。





しかし、
これは当然プロだから
感じることであり、

田崎や白井なら
この辺りで
足がガクガクして、
ダウンしている頃だろう
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