雪情
【強盗殺人ー2】


「やれやれ……

小川さん
ワシの声が聞こえます
かな?」




しかし返事がない、
気絶しているだけ
なのだろうか?




田崎は
スッカリ凍えてしまった
小川の手を取った。




まるで
死んだ人の手の温度
ではあったが、

微かに脈の鼓動がする。




そこに白井が
カーペットを持って、
二階から下りてきた。




「ほらよ」




っと小川に被せた。




大久保も台所から来て、
小川の横に腰を下ろした




「こちらも
準備OKですよ。

どうですか小川さんは?」




「それが、
意識がないんじゃよ」




それを聞くと
大久保は小川の手を触り

ジックリと観察した。




「ん……大丈夫ですよ、
命に別状はありません。

軽い凍傷と、
気を失っているだけの
ようです」




それを聞くと
田崎はホッと息をついた




「よかったですな。

では、
このままでも
よろしいですかな?」




小川は
上着も脱がないまま、

カーペットをかけられた
状態である。




「そうですね、
何かかけてあげるだけで
いいですよ。

意識が戻り次第
お湯を飲ませましょう」




取り敢えずは、
意識が戻るまで
待つしかないようで
あるが、

一端は
一安心といったところだ




皆が肩を下ろすと

白井が小川を指しながら
言った。




「なあ、
コイツ何で
手袋してないんだ?

しかも
銃も持ってないぞ」




本当である。

手袋をしていない上に
猟銃まで持っていない。




「この寒い中何故…。

銃も持っていないのも
気になりますな」




田崎は銃を気にかけた。




もしも
雪男の手に渡ったりしたら
かなり危険である
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