雪情
【雪情ー4】
「だいたい
包帯じゃないだろ。
こんなボロキレ
巻くなって」
「注文の
うるさい男だのー。
少しは我慢せんかい!」
それを巻きながらも
田崎は話し始めた。
「…そうそう、
洞窟にあったのだよ。
雪男の毛がね」
「毛?」
「そうだ。
小さすぎて
見えなかったが
真っ白い毛があったよ。
あれは紛れもない
熊の毛だね」
そう言えば
洞窟を出る際に、
田崎は何か
ジッと手に取り
見ていたことを思い出す
白井からは、
その時
何も見えなかったので
気付きもしなかった
ことだ。
「じゃあ俺達に
言ってくれれば……」
「その時は、
まだ確信が
持てなかったのだよ。
しかも、
その後に川上さんが
銃で殺されたからね……
大久保の犯行と
気付かず雪男の仕業と
考えてしまったから、
雪男の正体は熊と
思わなくなったんでね」
と田崎は答えた。
人間などではなければ
銃は扱えないので、
田崎の頭から「熊」
と言う文字は
消えてしまったのだ。
それに小川の時も、
二階の窓に
飛びついたと言うの
だから、
ますます
その考えは遠退いて
いった。
だが、
それが全部
大久保の嘘だったと
気付いて、
田崎の頭の中にある
パーツが
全て揃うことが
できたのだ
「だいたい
包帯じゃないだろ。
こんなボロキレ
巻くなって」
「注文の
うるさい男だのー。
少しは我慢せんかい!」
それを巻きながらも
田崎は話し始めた。
「…そうそう、
洞窟にあったのだよ。
雪男の毛がね」
「毛?」
「そうだ。
小さすぎて
見えなかったが
真っ白い毛があったよ。
あれは紛れもない
熊の毛だね」
そう言えば
洞窟を出る際に、
田崎は何か
ジッと手に取り
見ていたことを思い出す
白井からは、
その時
何も見えなかったので
気付きもしなかった
ことだ。
「じゃあ俺達に
言ってくれれば……」
「その時は、
まだ確信が
持てなかったのだよ。
しかも、
その後に川上さんが
銃で殺されたからね……
大久保の犯行と
気付かず雪男の仕業と
考えてしまったから、
雪男の正体は熊と
思わなくなったんでね」
と田崎は答えた。
人間などではなければ
銃は扱えないので、
田崎の頭から「熊」
と言う文字は
消えてしまったのだ。
それに小川の時も、
二階の窓に
飛びついたと言うの
だから、
ますます
その考えは遠退いて
いった。
だが、
それが全部
大久保の嘘だったと
気付いて、
田崎の頭の中にある
パーツが
全て揃うことが
できたのだ