雪情
【誘惑ー8】


白井は
面倒くさそうに話始めた






「あんたの彼女、
俺に迫ってきたんだ」





「なんだと!!」





「あんたと
付き合っているのに
迫ってきたと
言ってるんだ。

だから注意した、
それだけだ」





「嘘をつくな!!

さゆりがそんなこと
するわけねえ!

本当は貴様が迫って
断られたから怒鳴ったん
じゃねーのか!?」





「なら本人に
聞いてみろよ、
その女によ」





「なんだと~!!

おい、
さゆり本当なのか!?」





しかし、
川上は何も言わず
うつむいている。





小川は始めから
川上が白井に迫った
ことを
薄々気付いていた。





白井が
自分の女に迫ったり
したら、

もちろん
恋人として怒るのは
当たり前であるが、

逆に
白井の言っていることが
本当ならば、

白井は
川上に迫られたのに
断ったということになり

自分の恋人には
魅力がなく、
侮辱されたと
同じことなのである。





どちらにしろ
小川にとっては
許せないことであった。





「キサマ~!!」





依然、
小川は白井を
睨みつけている。





いつの間にか
大久保や荻原も
ドアの後ろに立っていた





田崎も起き上がった。





「俺は悪くないんだから
そんなに睨むんじゃねえ

そんなに心配なら
その女に首輪でも
つけていろ。

あんたが
そんなんだから、
しつけがなってねーん
だよ」





白井のその言葉に
小川はついにキレた




「テメ――!」





小川は
白井に殴りかかろう
とした、が後ろから
荻原に抑えられた。





「落ち着け小川!!」





手を離したら
飛んで行きそうな
くらいの勢いである。




抑えているのもやっとだ
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