幼なじみなんてッ!〜近くて遠いアイ・ラブ・ユー〜


「ちょっと!おじさん?!」

「親父?!」




頭を下げる姿を棗も初めて見たのか、2人して焦った

「頭上げてくださいよ。」



その言葉にゆっくり頭を上げた


「花音ちゃん」



「……はい?」



「これからも棗のこと、よろしく頼むね。」



優しい笑顔のおじさん



「…っ…はいっ」



そんな言葉にずっと我慢していた涙が溢れてきた




「あれ?わたしが、泣かせてしまったかな?」



ははっとが冗談混じりに言った


「そうかもな。」


棗もクスッと笑みを溢しておじさんを見た


違うよ……これは嬉し泣き。


そう言いたいのに、言葉が出ない



「んん―。じゃあ、おじさんが抱きしめてやろう」


……へ?



おじさんが腕を広げ、待ちの姿勢を見せる


「なっ!それは親父の役目じゃねぇ―んだよ!」



――グイッ


「きゃっ!!」


棗の方に引っ張られ抱きしめられた




< 356 / 376 >

この作品をシェア

pagetop