遥かなインド
駅から歩いて一時間後、

西安市内最大の通りである
「鐘塔」へ到着した。
宿はこの近くなのだ。

しかし、宿が見つからない。
確か宿であるユースホステルはショッピングセンターと郵便局と併設していていると案内にはあった。

やっと見つけた宿の入口は郵便局の入口の隣にあった。これはわかりにくい。

ふと外を見ると古そうなマウンテンバイクに約60kgも荷物を抱えて歩く若者の姿があった。

“世界一周の旅をしている若者に違いない”

そう確信し宿の前でまった。
その若者がチェックインをしている時に日本語で話しかけた

「松さん!!」

「ああ、貴女が真子さん?」

と気さくに返事を返してくれた。

若者の名前は
“松さん”

私と松さんにとって初めて顔を合わせた瞬間だった。

松さんと初めて交信したのは彼がトルコを旅していた時だった。

メールやブログで交信していた私は次第に松さんに憧れていった。

―きっと松さんは世界一周中だからいつも希望に満ちているに違いない!

期待をして顔を見てみると…
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