アクアマリンの秘密
「あー…分かったよ。降参だ、フェイ。
さすがだ。
お前に嘘はつけないな。

…そうだよ。
俺はここに星来を連れてくる気なんてさらさらなかった。
今日の任務だって、お前の言った通り、小手調べだ。
あいつらの実力がいかなるもんかな。
まぁ実際戦えたのは蒼刃だけだけど、白斗、緑志、桃依、そして…紫紀の力自体は見た。」

「なぜ捕えなかったんだ?」

「まだその必要がないからだ。」

「必要がない?」

「ああ。
それに…イアルだって俺とマイサが星来を連れて帰ってくるなんて思ってないさ。」

「どういう意味だ?」


そう…
イアルの目的だってあいつらの実力を測るってことだ。
それを俺は知っていた。
それに…


「そんなに簡単にお姫様を離してくれるほど、弱い奴らじゃねーんだよ。あいつらは。」

「……。」

「それにしてもフェイ…
お前は俺の次に創られただけあって、本当に鋭いな。
それにお前は…。」

「なんだ?」

「一番俺に近い。

いや…
この言い方には少し語弊があるな。

お前と俺はほとんど同じだ。
たった一つのことを除いて。」


そう。
俺たち4人のビシアスも、すべてが同じ『ツクリ』ではない。
俺とフェイ、そして他の二人との間には大きな差がある。
そして…
俺とお前にも…
たった一つだけ、違いがあるんだ。

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