アクアマリンの秘密
「あたしには無茶するなって言うくせに…蒼刃だって無茶ばっかりじゃない!!」

「…悪い。」


でも、あいつが俺との勝負を望んだんだ。
それを避けることは…俺にはどうしても出来なかった。


「あんなに怪我してたのに…なんでもないって顔して剣振りまわしてっ…。」

「悪かった。」


あの時は全神経が麻痺してたのかっていうくらい、何も感じなかったんだ。
お前の声は聞こえていたけれど。


「倒れたときだって…あたしっ…死んじゃったかと…。」

「…ごめん。」



ただ、謝ることしか出来ない。
こうして泣かせてしまったことを。

星来の涙はあとからあとから溢れてくる。
止まる気配がない。

自分がどのくらいの間眠っていたのかは知らないが、ベッドから上半身だけを起こしている状態で限界だということが分かる。足には全くと言っていいほど力が入らない。


星来は今、俺の腕を伸ばしただけでは触れることの出来ない距離にいる。

その涙を拭ってあげたくても…

俺には出来ない。




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