アクアマリンの秘密
* * *


「蒼刃…入るよ?」

「ああ。」

「あの…手首出して?」

「あー…さっきのミサンガか…。」

「うんっ…。」



素直に手首を出す蒼刃に、ミサンガを巻いた。
桃依たちにも同じことをしたはずなのに、蒼刃だけ…なんだか変な気持ちになる。
心臓の鼓動が早すぎてうるさいくらい…。



「できたっ!!」

「…ありがとな。」

「ううん。あたしには…これくらいしか出来ないから…。」

「いいんだよ。お前はちょっと守られてるぐらいで。」

「え?」

「お前はいつも勇ましすぎるんだよ。
少しはしおらしくしてろよな。
お前の突飛な行動にこっちは心臓が何個あっても足りねぇんだよ。」

「なっ…突飛な行動なんてしてないもんっ!!」

「フェイに抱きついたり、あんな広い城の中で白斗を探しに行くって言ってきかなかったり…んで挙句の果てに力の使いすぎで倒れたり…。」

「ちょ…っ…なんかあたし、ダメな子みたいじゃん!!」

「お前は無理しすぎで、頼らなすぎんだよ。
だからもう無理すんな。無理すんの禁止。」

「禁止って…。」

「俺が嫌だから。お前が倒れんのとか見んのも嫌。
つーわけでお前は大人しくしてろよ。」

「…強引…。」


不意にあたしの頭に伸びてきた蒼刃の右手。
ミサンガがちらっと見える。

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