恋色の紙ヒコーキ
「はー…なるほど。
そりゃホント、お前にしては珍しいくらい『ホンネ』言っちまったなぁ…。
『いつもの笑顔で『頑張って』って言ってほしかった。』かぁ…。」

「あー言わないでくれ。頼むから。
本当に…自分にうんざりする。
ただでさえはるを泣かせたのに…挙句そんなことまで…。」

「別にいいんじゃね?
お前悪くねぇと思うよ、俺。」

「え?」

「だって俺もそう思うもん。
いやまぁ…離れることは普通に寂しいけど…
それをただ『寂しいから離れないで』っていうのは違うと思うし。
恋愛って相手の将来を奪うためにあるわけじゃねーじゃん。」

「…久哉にしては珍しく…まとも…。」

「っせーな!!俺はいつもまともだよ!!
つーか話戻すけど…
陽の本音、はるに言えたんだから良かったと思えよ。とりあえず。」

「そう…かもしれないけど…言い逃げというか押しつけというか…。」

「お前はさー…優しすぎんの。前にも言ったけど。
いーかよーく聞け。
はるにお前の未来を潰す権利はないの。たとえ彼女でも。
進路はお前が決めるもん。はるに相談はしてもいいけど、その進路を選んだ理由がはるじゃダメなんだよ。
そんなん俺が言わなくたってお前は分かってんだろ?」

「……うん…分かってるよ。」

「だからお前は今のまま、頑張り続けて大学受かる。
それだけ考えてろ。
少し、はるのことは放置だ放置。」

「……。」

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