恋色の紙ヒコーキ
俺は梨絵を抱き寄せた。
いつもより、腕の力を強めて…


「久哉…?」

「たまにはいいじゃん?
最近、あんま抱きしめてなかったし。」

「っていうか強いっ…。」

「だって今、お前のこと離したくねぇんだもん。」

「……。」


俺の腕の中で大人しくなった梨絵。
少しだけ俺に体重を預けてきてるその姿がどうしようもないくらいに愛しくなって、俺は少し腕を緩め、梨絵の顔をこっちに向かせた。


「ちゃんと…頑張ろうな。俺たち。
お互い合格して、笑顔で卒業式を迎えられるように。」

「うん…。」


そして俺は梨絵の唇にそっとキスを落とした。



*久哉side END*

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