恋色の紙ヒコーキ
「どうやって抱きしめればいい…?」

「え…?」


ぎゅっと目をつぶっていたはるがゆっくり目を開ける。そしてその焦点が俺に定まる。


「どうしたらはるは…
もっと俺に身を任せられるかな…?」


はるはいつも…どこか遠慮がちだ。殊更俺に対して。

最近はぎゅっと抱きついてきたりもするけど…



実際、好きだという気持ちは伝えてくれるし、お互いの気持ちの量や大きさなんかを比べる気は全くない。

だけど…
俺ばっかりが君を欲しがっている…
そんな感覚に陥る。

君に触れたい。
君を抱きしめたい。
君を離したくない。
ずっと…自分だけを見ていてほしい…。
幼稚な独占欲だ。分かってる。
でも離れると思うと余計に…
君が欲しくなる。
君の全てを手に入れたい…
そんなことを思ってしまうんだ。




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