レゾンデートル

4 合流




「…桜?」


ふと背後から聞こえた声に振り返ると、そこには来琉がいた。


「来琉、」


私も名前を呼び返すと、来琉はふわりと笑った。
何だか久しぶりに見た気がする。


「久しぶりだな、こんな時間に何してんだ?」

「うん、久しぶり。ちょっとブラブラしてるだけ。来琉は?」

「俺は愛琉迎えに行く途中。桜も来るか?」


久しぶりの会話。
来琉はちっとも意識していないようだ。

「良いの?」と問えば、来琉は笑って「愛琉も喜ぶだろ」と言った。


それから二人で5分くらい歩いて、愛琉と合流した。

愛琉は私を見ると、「わぁぁ桜ちゃんだぁ!久しぶり!髪の毛伸びたね!可愛い!」と一人で騒ぎ立てた。


「愛、うるさい」


来琉がじろりと愛琉を睨む。
けれど愛琉は気にせずふざけながら「なにさ、来だって桜ちゃんに会いたがってたくせにぃ!」と言った。
すると来琉は顔を赤くして叫んだ。


「うるせぇよばか!ちったぁ黙ってろ!」

「あは!もう照れちゃってー!」


なに、それほんと?
なんて聞けるはずもなく、私は顔を赤くして俯いた。


それから私達はしばらく喋りながら歩いた。
そうしているうちに、この間の公園にやって来た。


「ん?なんか聞こえねぇ?」


来琉が言う。
それに対して愛琉が「ほんとだねー、ギター?」と答える。



もしかして、あの二人?





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