今夜,君と…。
「ごめん!ごめんなさい!!許して!!!」



車内にはあたしの声が響き渡った。

構わず手を振り上げる亮平に,もう抵抗すらできなかった。


亮平は声をあげて泣くあたしから目をそらして,

「うぜぇ…。」
とだけ言った。


男は女の涙に弱いなんて嘘だな…


何回も思い知らされた。

泣けば何でもすぐ許してくれるような人もいやだけど,こんなに悲しくて…怖くて…泣いてるのに。


ちっとも気にしてくれないと愛されていないのかと思ってしまう。

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