今夜,君と…。



午前2時。


うるさいメロディーがあたしを起こした。


ディスプレイには見慣れた,
[ 陽子 ]
の文字。


そういえば,名前登録しなおさないと…!


隣りの彼を起こさないように携帯をそっと開く。


「うう〜ん…誰え〜?」

「あ!!ちょっと!!!」


寝起きの彼は,あたしの携帯を奪いメールを開いた。





…どうしよ…。






「今日は楽しかったね♪来週は和食がいいな〜…やって。」

「あぁ…うん。」

「陽子ちゃんって可愛いーん??」

「う…うん!綺麗かな?…3つ上やし…。」

「ああ。仕事の人?」

「そうそう!夢新地店の先輩!!!」

「ふ,うう〜〜〜ん…」


そのまま彼は眠ってしまった。


彼。

亮平には他の男と会ってるなんて知られたくなかった。

やましいことはないんやけど…なんか嫌やった。


そんなずるい自分も嫌やった。





そういえば。

よーた君のメモリーが[陽子]のままで良かった。

メールに[俺]とか入ってなくて女の子みたいで良かった。











…偶然
やんな??

そのままメールを返さずに眠ってしまった。
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