今夜,君と…。
大輝の部屋はサッパリってゆうか物があまりなかった。


やたらでっかい液晶テレビと黒いソファ。

ステンレスの棚は,棚の役目を果たせないほど物が置いてなかった。


「…生活感ないな。」

「あはは!よくゆわれる。」



誰に?

よく誰かくるん?


聞かない。

聞けない。


付き合ってもないし。


優しくされたから気になっただけ。





じゃあさ。



あたしは今何をしてるんやろ?






あたしの上で揺れながら熱い息を吐く大輝を,はっきり見れないでいた。







体を重ねても心はひとつにならないことくらい知ってたのに…。





ソファの下のリモコンに手を伸ばす大輝の手に怯えるあたしは,ひどく矛盾してる。





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