恋~れんごく~獄
でもあれは本当に偶然だった。
最近は、クールで無口に近い姉さまよりも、一見暗そうに見えておしゃべりな私よりに、ポジションを取って絵画の制作をする真さん。


-何気なく目が合い、そして…キスしてしまった。
むしろ真さんの方から私に-


私と真さんはぎょっとした。いつの間にか姉さまが側に立っていた。
…一生忘れないだろう、今日の姉さまのあの鬼の様な形相。


所で、姉さまと真さんが、そこそこ良い関係であったにも関わらず、なぜ今日の今まで恋人同士で無かったのか。仲の良い、単なる友達同士だったから?
…それは違う。確信できる。原因は、姉さまにある。


-酷く潔癖症なのだ-


野暮な話になるが、何だかんだ綺麗事をいくら述べたとしても、男の子に手綱を付ける為には、やはり多少の「人参」を与えないといけないのだ。
…真さんは、姉さまに、手の一つさえまともに触れさせてもらえずにきたのだろう。
< 12 / 29 >

この作品をシェア

pagetop