『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ


階段に座り込み、俯く葉山の顔は、こちらから窺うことは出来ない。


「そいつと付き合ってんの?」

「付き合ってない。…私の気持ちも知らないと思う」

「どうしても、俺じゃ駄目なのか?」

「…うん」

「俺さ…一年の頃から吉沢の事、好きだったんだよ」

いきなりいつもの口調に戻った葉山は、手を後ろにつき空を仰ぐ。


「可愛くねぇし、愛想もねぇし…正直、うぜぇと思ってた」

「失礼な!!」

「本当の事だろ」

「ムカつく!!」

「…でな、一年の文化祭の時だったんだけどさ、迷子かなんかで泣いてた子供いたの覚えてる?」



記憶を呼び起こしてみる。

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