『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ


体育教科室へ鍵を返し、昇降口へと向かう。

下駄箱に背を向け、すのこの上に座り込む亜耶を見つけた。


「ごめん。お待たせ」

顔を上げた亜耶は、私の手元に視線を移すと、

「あんた、何しに行ったのよ?コート持ってないじゃない!」

綺麗な顔を歪ませた。


そんなに怒んなくてもいいじゃんか!!

とは、亜耶には言えず…


「んー。それが…ありませんでした」

言い訳をしようとしたが、どうせ見破られるならと白状した。


「ないって何よ?コートどこやったのよ?」

まるで、子供を叱る母親の様。

「だって、なかったんだもん」

まるで、母親に叱られている子供の様。


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