『その声でささやいて』キケンな教師と危ないカンケイ
「理恵~また外見てたの?」
チャイムが鳴ると親友の亜耶が近づいてきた。
ピンクブラウンの髪をふんわりと巻き、女の子らしいかわいい雰囲気を纏っている。
「うん。あそこのベンチに知らない男の人が寝てた」
そう呟きながら、ベンチを見てもあの姿はあるはずもない。
「男?どこ!?」
亜耶は窓の外を探し出した。その目は真剣。
「もういない。先生かと思ったんだけど、2年のこの時期に知らない先生なんていないし」
「だよね。他の学校の先生かもよ?会議とかあったみたいだから」
「そうかも。あー帰りに何か食べて行こうよ」
「賛成!」と叫んだ亜耶は私の腕を掴み勢いよく歩き出した。