君しかいらない

「入っていいよ。」


早朝から澄んだ真琴の声。


ゆっくりドアを開くと

小綺麗に化粧をした真琴が凛とした立ち姿で私を出迎えた。


その姿に息を飲んだのは

黒く長い髪をクルっと巻いて

真っ赤な口紅をつけたその姿が


まるで



あの女そのものだったから。




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