君しかいらない

「違うだろ?

『家族』に執着していたのは莉子…お前だ。」

漆黒を纏った瞳が私を見据えた。

そのあまりにもおびただしい黒い瞳に吸い込まれそうな錯覚を感じて

一瞬、身震いさえおこしてしまいそうだった。

「…なんでそんな事言うの?

私は…私はあなたのためにっ…」


「俺のために一人で真理子を産んだ?

違うだろ。

お前は恐がってたじゃないか。

俺達の事を家族に知られて、家族が崩壊する事を…」


「そんな事ない…」



そう言ったけれど

本当にそんな事ないなんて…言えるのだろうか。




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