君しかいらない


「俺はなんでもいいから家族がほしかったわけじゃない…

俺は俺の愛する家族を求めてたんだ。」


「愛する家族…?」

知也を見つめた私に

彼は小さく頷いて


その瞬間、ようやく彼の言っている本当の意味を理解した。


「あなたの求めた家族って…」

「そう。

莉子、お前と俺の子だ…」


小さく呟いた知也に

心の底から、やっと解き放たれたように押し溢れた涙が


頬に幾筋を通してこぼれ落ちていく。


待ち望んでた言葉だったのかもしれない。



鎖した心を開ける鍵だったのかもしれない。



自然と溢れ出す涙を止める理由が見当たらなかった。



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