女社長は12歳
八章 出口の見えない海
倉田家のディナー。

いつものようにマチ子の料理がテーブルに所狭しと並べられている。

本日のメニューはハンバーグにビーフシチュー、どちらもきららの大好物だ。

「おほー! いっただきまーす!」

きららは、およそ乙女とは思えないスピードでそれらをやっつけている。

「うんま!!」

そんな幸せ絶頂のきららに、良造が水をさした。

「きらら、例のソックスのことなんじゃが……どうじゃ? 進んどるか?」

「うん、まあ、そこそこ……」

きららは、口いっぱいにほお張りながら言った。実際はまったくといっていいほど進んでいないのだが、面倒くさいのでとりあえず適当に答えたのである。
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