女社長は12歳
十章 小学生社長誕生
翌朝、倉田商事の会議室では企画会議が今まさに行なわれんとしていた。

きららが良造と共に会議室に入ると、すでに五人の重役達は席についていた。

きららは席につくと、会議机の上に例のソックス、そして夕べ徹夜で書いた企画書を置いた。

「では、会議を始めます」

議長である片桐が口を開いた。

「まず、先週のソックスの件ですが、次期社長にお願いしてあった企画は……」

片桐は、不安そうにきららのほうを見た。
きららは、もうやるしかない、と開き直った。

「はい! 企画を考えてきました。発表させてもらいます」

きららは立ち上がった。

一瞬、会議室がどよめく。

神野は顔を上げ、きららのほうを凝視する。

良造は、心配そうにきららを見つめている。

きららは自分で書いた企画書を手に取り、ページをめくりながら続けた。
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