女社長は12歳
十一章 決意
それから一週間後、良造がドイツへ立つ日がやってきた。

きららはマチ子と共に、空港へ見送りに来ていた。

夏休み前だというのに、空港はけっこうな人でごったがえしている。

「お祖父ちゃん、元気でね……」

「大丈夫じゃ。なんたって向こうはビールの本場じゃからな。うまいビールを飲んでりゃ体を悪くするヒマなんぞないわい」

「それが一番心配なんだよね……」

「旦那さん、とにかく、お体に気をつけられてくださいよ?」

「ああ、わかっておる。マチ子、すまんがきららのこと、よろしく頼んだぞ」

「ええ、わかってます」
 
マチ子は胸をドンと叩いた。
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