地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ

「…ほら、思ってること…言え」

グイッと腰を、陸の体に引き寄せられる。

少し上にある陸の顔を見上げるような感じ。


「…会いたくて…陸の顔が、見たくてたまらなかった。怖くて怖くて…抱きしめてほしくって、頭…撫でてほしかった。名前呼んでほしかった…ちゅー…してほしかった。陸に抱いてほしかった……」


ちょっと…言い過ぎたかもしれない。

思ってたこと…全部口に出したもん。


「…最後の一言は、生殺しだな」

「え？」

ボソッと呟いた陸を見上げた。


「…杏は、俺を誘うのが…天才」

「何を誘うの？」

「２人っきりの時に、教えてやるよ」

「う……ん」

意地悪く笑うと、頭を撫でて…また抱き寄せられる。


「……よく頑張ったな」

「……っ……」


耳元で、そう囁かれた瞬間…すべての緊張と恐怖の糸が切れて……。

陸にしがみついて、泣いた。