2匹の蝶々


「音は心をお姉ちゃんとして好きでしょう?だから、出来ないのよ」


お母さんは遠回しに言った。


チガウ。


お姉ちゃんとして、じゃない。

1人の女として、だ。


「ちがうもん。ほんとうにおねえちゃんじゃない、すきなんだもん。だから…」
「音!!」


お母さんが、怒った。


「おかあ…さん?」
「ふざけないの!分かった?!」


お母さんの怒りに近いような顔を見て。

俺はもう何も言わない方がいいと悟った。

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