2匹の蝶々

「音くん…だよね?ちょっといいかな?」


放課後

帰ろうとしたところで1人の女子に呼び止められた。


「誰…」
「あれ?知らない?今井 萌。いつも心ちゃんと一緒にいるんだけど…」




ああ。

1回だけ、見た事ある。


…かも。

心しか見てなかったからよく分からない。


「まあ、なんとなく」
「なんとなく、て酷いなぁ。まあ、いいけど。」

そして、今井は俺の手を引っ張った。


「ちょ、何だよ」
「ここじゃ出来ない話だから。」


そう言って振り向いた今井の顔は。

妙に勝ち誇ったような表情をしていた。


…嫌な予感がした。


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