君の瞳が愛をささやく
俺は変装用の帽子と眼鏡姿で病院に入った。


受付にはほとんど人がいなかった。


「…臣の好み…だから…」


澪ちゃんの声がして振り返ると、売店で何かを選んでいるようだった。


俺は二人の買い物を待って、歩きはじめた二人の後を着いて歩いた。


心臓が暴れている…


早く二人の行き先を知りたいような、全てにおいて後悔をしているようなそんな気持ちだ…


二人は3階の角部屋に入って行った。


俺は躊躇するように震える足をなんとか動かしながら、部屋に近づいた。


病室のプレートが見えた。



『308号室 中野莉緒』



中野…莉緒。


俺はプレートを見つめたまま立ち尽くした。
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