君の瞳が愛をささやく
莉緒は今LAに留学してるはずだろ…?


入院ってなんで?


どこが悪い、病気か?


俺に知られたくなくて留学だなんて嘘ついて…?


頭の中がぐちゃぐちゃで訳が解らない。


「姉さん…だから…陸兄…」


部屋の中から臣の声が聞こえる。


中にいるのはやっぱり莉緒なんだ…


俺はそっと病室を覗いた。


広い病室の窓側のベッドに莉緒は寝ている。


体から何本もの管が出ていて、ベッドの周りをビニールが覆っている。


その中で莉緒は弱々しく、でも変わらない微笑みを浮かべていた。


声が出なかった。


俺はただただ立ち尽くした。


ふっと澪ちゃんが振り返った。


俺は慌てて病室から離れた。
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