コノ男、大魔王ニツキ。
「出来たら呼んで?哲と壱呼んでくるから。」

頭をガリガリ掻きながら、充兄は部屋に戻った。

家の下宿の男衆は全員イケメンだけど極度の曲者で女の子にモテモテ。

この前は勝手に哲兄の部屋に入ったら女の子ととある行為に励んでいた。

「でも一番は、先輩だよなぁ~」

一度停止した手をまた忙しなく動かした。

「なぁによっ。分かってんじゃなぁい。」

にゅるりというオノマトペがピタリとくる抱きつき方をするのは、他でもない紗耶香だ。

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