【短】最後に君に。

あと6日



「うーん…今日は何しよっかなー…」

とりあえず今日も学校に行くかぁ!!
俺はそう考えて今日も地上に下りた。


「鈴夏ー!!あんたそろそろ新しい恋しなさいよ~」
休み時間に鈴夏が友達に言われていた。

少し寂しいけど…確かにそうだと思う。
鈴夏ももう一度恋をして幸せな人生を過ごしてほしい。
俺が幸せにしてやれなかった分、、幸せになってほしいんだ。

『うーん…そうだね』
「鈴夏いっつもそう言ってるだけじゃん!…隣のクラスの山下君!!鈴夏が気になってるみたいだよ!!!」

山下?…あぁ確か居たなー!確か野球部エースだったっけ?
なんか良い奴らしいけど…また見に行ってみよう。
俺は窓に腰掛けて考えていると鈴夏はまた俯いた。

『でも…恋する気になんてなれないよ!!』
珍しく大きな声で言ってから鈴夏は『ごめん』と言ってまた俯いた。

「鈴夏…悠太君を忘れられないのは分かるよ?、、だけどいつまでもそう言ってたって悠太君は帰って来ないよ?」
『分かってる!…だけど、、』
「そんな顔してる鈴夏を見てたら悠太君も悲しむよ、、きっと」
『…うん、、そうだよね』

鈴夏は泣きそうな表情で空を見上げた。


隣で居るのに
ここで立って居るのに誰にも気づかれない。

泣きそうな鈴夏を抱きしめる事も、優しくする事も出来ない…。

俺の存在は、、鈴夏をいつまでも苦しめてるんだろうな。

なんて思うと、視界が歪む。
泣きたいのは鈴夏なのに、、強がりで泣くのを我慢する鈴夏なのに。

…俺はなんて無力なんだろう
もしかしたらもう鈴夏の前に現れない方が良いのかな、、?

誰にも見えないけど俺は涙が止まらなかった。
暑い空気が漂う教室で、俺はただ鈴夏を苦しめる自分を呪って唇をかむしかなかった。



天国に逝くまであと6日―…



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