【短】最後に君に。

あと3日


あれから2日、俺は鈴夏に会いに行かなかった…いや、行けなかった。

俺の存在が鈴夏を苦しめてるならもう会いに行かないのが良いんだろう。

なんて考えてごろりとまた寝転ぶと番人さんが来たのが分かった。
「…今日も行かないのか?」
「一体どこで見てるんっすか?」
「…この世界に居るならどこでも見えるさ、、そんな事よりあと3日しかないぞ」

あと3日か―…
分かってるんだけど…
「…夢に出た所で、、何も変わらないじゃないか…!!」

俺が声を荒げて言った。何も出来ない苛立ちをぶつけるように、、番人さんに当たっても仕方ないのにな。
そう思って座って俯くと番人さんは俺の横にしゃがんだ。

「…何も変わらないか、確かにそうかも知れない、、だが悠太の声を伝える最後のチャンスだ」
「最後の、、チャンス…」
「…あぁ。あの子はお前の声を聞きたがっているはずだ、、それにまだお前の思いを伝えてないだろ?」
「俺の思い…」

鈴夏に言えてない言葉…伝えてない思い―…
「番人さん、、俺…!!」
「明日の夜、、で良いな?」
「…はい!、、あのいろいろすいませんでした」
俺が頭をぽりぽりとかくと番人さんはクスリと笑った。

「気にするな、、ちゃんと人生最後を決めて来い」
またそう言って番人さんはどこかに消えて行った。

明日伝える…俺の最後の言葉を…!!

俺はそう心に誓って今日は休んだ。



天国に逝くまであと3日―…

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