もしも、世界が美しかったら



―――俺、相原由輝つーの。よろしくな。

―――おめでとう!お前ずっと好きだったもんな。來とお幸せにっ

―――最後のにまた同じクラスになるなんてな!

―――涼介も花梨と上手くいけば良いのになー。

―――俺は可愛い妹がいるから彼女なんていらないの。

―――死ぬな、夏琅!!死ぬんじゃねぇよ!!!

―――大丈夫、みんな受け止めてけれるから。…お前の友達は俺だけじゃねぇんだよ。

―――俺は怖いよ…。夏琅がいなくなるなんて考えただけで怖くてたまんねぇよ…

―――忘れるかよっ…忘れろって言われても忘れねぇよ!!

―――辛くても苦しくても生きて絶対に生きて生きて生きて………みんなで幸せになってくれ…っ

―――俺の分まで、幸せになって

―――お前はそっちじゃねぇ

―――じゃあな、夏琅

―――さよならは言わねー

―――相原由輝は幸せでした。


たくさんの思い出が溢れてくる。

一筋の涙が頬を滑り落ちた。


「愛輝、夏琅。始まるぞ…」

涼介が呼ぶ声が聞こえる。

「行くか……」

「うん……」




俺たちは由輝と逢える



最後の時を迎えた。





















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