ADULT CHILDREN
けんちゃんが部屋から出て来たのは夜の9時頃だった。
「紗枝は?」
リビングに戻ってきたけんちゃんの顔を見ても
その目を私には向けてくれない。
「今寝たとこ」
ため息をつき、下唇を歯で軽く挟み何かを考えているような顔。
そんな顔を見ても待っていた間の不安が解消されるわけもない。
「今日紗枝泊まらせるよ」
泊まらせていいかどうかは聞かないんだ―――
「ごめんね。せっかく誕生日なのに」
本当にそう思ってるの―――――
「ううん。疲れたでしょ?ご飯どうする?」
本当は不安で一杯なのに
自分の気持ちは隅に置いた。
今、わがままを言えば
今、嫌われてしまったら
どうすればいいかわからなくなるから。
「ごめん今日はいいや。ちょっと横になっていい?」
「…うん」
せめて傍にいたくて
一緒にベッドに入った。
でも数分もしないうちに私はそこから体を動かす。
けんちゃんから紗枝の香水の匂いがしてきたから。
呼吸ができなくなってしまいそうだった。
「私、やっぱりお腹空いたから何か食べてから寝るね」
「わかった。ごめんね」
大きな背中を見つめてさっとカーテンを閉めた。
「紗枝は?」
リビングに戻ってきたけんちゃんの顔を見ても
その目を私には向けてくれない。
「今寝たとこ」
ため息をつき、下唇を歯で軽く挟み何かを考えているような顔。
そんな顔を見ても待っていた間の不安が解消されるわけもない。
「今日紗枝泊まらせるよ」
泊まらせていいかどうかは聞かないんだ―――
「ごめんね。せっかく誕生日なのに」
本当にそう思ってるの―――――
「ううん。疲れたでしょ?ご飯どうする?」
本当は不安で一杯なのに
自分の気持ちは隅に置いた。
今、わがままを言えば
今、嫌われてしまったら
どうすればいいかわからなくなるから。
「ごめん今日はいいや。ちょっと横になっていい?」
「…うん」
せめて傍にいたくて
一緒にベッドに入った。
でも数分もしないうちに私はそこから体を動かす。
けんちゃんから紗枝の香水の匂いがしてきたから。
呼吸ができなくなってしまいそうだった。
「私、やっぱりお腹空いたから何か食べてから寝るね」
「わかった。ごめんね」
大きな背中を見つめてさっとカーテンを閉めた。