ADULT CHILDREN
だけど、努力が報われる事はない。


母は私を認めるどころか今度はこんな事を言い出した。



「いいね。あんた幸せで」


「まあ私が同じ年の頃はもっとしっかりしてたけどね」


母は祖母や周囲から「いい子」と褒められる私に嫉妬心を抱き、母自身と私を比較し始めたのだ。


その言葉に最初は反抗した。


「比べないでよ」



だけど、反抗すればする程母の比較は酷くなり、私をけなし
憎んでいるかのような冷たい目で私を見た。


いつの間にかその視線から逃れるように部屋に閉じこもる日が多くなっていった。


そして楽しかった小学校生活も終わりを迎える。


中学生になっても頑張ろう。
私なら大丈夫。
私なら頑張れる。


まだ見ぬ中学校生活に期待を寄せ、そして希望を抱いていた。


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