ADULT CHILDREN

「私、そういう思いを淳にさせてたんでしょう？」


落ち着きのない目を突き刺すような視線で見つめる。


「…さえこ？」


「知ってるよ。浮気してるの」



淳は慌てて私から顔を逸らす。


「何の事？」


「今日誰と一緒にいたの？森山くん？主任？」



「あ、二人とも一緒にいたよ」



「じゃぁ今から二人に電話して聞くから黙っててね」


そう言って私が携帯を取った瞬間淳は私の手から携帯を取り上げた。


「ごめん！！」


目の前で現実が確かになった瞬間これまでの怒りが一気に溢れ出した。