ADULT CHILDREN
ある日、無視を続けていたはずの吉田に突然話しかけられた。


「ねぇ佐藤さんって無愛想じゃない?私嫌いなんだよね」



珍しく話しかけてきたと思えば佐藤さんの悪口。



「確かに無愛想だと思った。最初はね」


そう言うと吉田は何が嬉しいのか頬を緩ませていた。


「やっぱり?」


「うん。でも普通に話してたら全然無愛想じゃないよ。いい人だと思うけど」



すると今度は何が気に食わないのか「あっそ」とどこかに消えていった。



嫌がらせは激しくなる一方で、私はそれに耐え続けた。


でもそれに耐えられたのにはちゃんと理由があった。




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