ADULT CHILDREN
翌日母は普段より、より冷たかった。


父と母の間に会話はない。

普段から少ない方だったが、
この時からしばらく二人は話さなかった。


険悪な空気に耐え兼ねた私は母に恐る恐る尋ねた。


「離婚するの?」


母はなぜ知っているんだと言わんばかりに冷たい目で私を睨んだ。


「しないわよ」


予想外の答えにほっとして少しだけ気を緩めて続けた。


「私、働くよ」


その言葉で母の怒りを買ってしまった。


「馬鹿にしてるの?そんな事しなくていい!早く学校に行きなさい」


まだ朝食を食べている途中だった私は無理矢理家を追い出された。


とりあえず離婚は避けられたんだ。


雄太も修平もこれで少しは安心できるだろう。


この時は本当にそれが最善の道だと思っていた。


私にとっても

弟にとっても


母にとっても。


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