ADULT CHILDREN
結局私がこのチワワのお世話をするしかないんだ…


佐藤さんがいなくなって私はチワワに頬ずりした。



「可愛い」


ボールで遊んでいるチワワを見て何度もため息を漏らした。



一人で色々名前を考えた結果、クロと名づけた。



鼻が真っ黒だったから。単純にもそれだけで決定。


バイトへ向かう前。私は一度家に戻った。

どうしてもクロを一人残すのが可哀想で家につれて帰ったのだ。


家に着くとまだ祖母がひとり。とりあえず祖母に事情を話して夜連れて行くからバイトに行っている間だけ見ていてもらうよう頼んだ。


祖母の「お母さんがまたうるさいよ」という言葉を聞き、私は先に父に電話をして承諾を得て母から祖母が何も言われないようにしておいた。



祖母は犬が大好きで、クロを見た瞬間から「可愛い可愛い」と笑みを零していた。


久しぶりに見た祖母の嬉しそう顔を見て心の中で佐藤さんに感謝している自分がいた。
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