ADULT CHILDREN
祖母がいなくなってしまった事である事を考えていた。


それは

母と縁を切ること。


母の声を聞くだけで辛かった。


母のいる未来を想像するだけで毎日に苦痛を伴った。




私は一生母の面倒を見なければいけない。



一生母から逃げることはできない。



母が死ぬまで
私は永遠に苦しまなければいけない。




日々に生き辛さを感じた。


母がいる日々に。





それを佐藤さんに相談した。

佐藤さんはどれだけ歩み寄ろうとしても変わらない母に対してもう諦めていて、そして苛立ちを覚えていた。



私が毎日「お母さんが…」と口にしていたから。

私の苦しみを充分に理解していたからだ。


だから縁を切れるなら切った方がいいだろうと言っていた。
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