ADULT CHILDREN
「おいで!」


コウに言われて近づくとまた驚いた。


「何ここ!?」


そこは、コンクリートでできた一畳程のスペースの小さな部屋のようだった。


「誰にも言うなよー?」


差し出されたコウの手を取り飛び降りる。


「俺と俺の従兄弟しか知らないんだ」


その言葉はまるで私を特別だと言ってくれてるように思えた。


小さなスペースに二人で座り込んで話す。


「さえこは今まで何人と付き合った?」


その日一日一緒にいて恋愛の話をしたのはその時が初めて。


「え?一人だよ。でも…付き合ったってうちに入るのかな…。コウは?」


「俺も一人」


「そっか」



「…二人目は俺の予定でしょ?」


一瞬ドキッとしたけど、会話が弾んでいたせいか


「そっちこそ、二人目は私の予定なんでしょ?」



軽い冗談っぽくそう言えた。





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