大嫌い、でも、大好き

理由




どんだけダルい朝だってお前を見ただけで最高の朝になる。




「はる……おはよ!」


「………おう。」



俺に残された期限は一ヶ月。

その間はお前の近くにいるって決めたんだ。


何があったって…


ずっとお前の近くにいるって。



「お前…今日なんか用事あるか?」


「今日?ううん、何もないよ?」


「じゃあ…今日ちょっと付き合えよ?」



たった一ヶ月しかない。


そのたった一ヶ月を大事にしたいんだ。



「もしかしてまたアレ?」


「おう。別に嫌なら良いけどな。」



嘘だ。

本当は嫌だって言おうが連れ回したいんだ。


それでもそんな事言えるわけないんだよな。



千鶴は俺が嫌いだろう?


いつも思ってもいない事を言う俺。

可愛いとか綺麗とか、んな事言えない俺は千鶴にいつもいつもブスなんて言うから。


こんな素直じゃない俺なんかお前は好きになってくれないよな。




「………今日は釣れるの?」


「あ?俺に不可能なんてねぇんだよ。」


「そう言っていっつも釣れないくせに。」



馬鹿にしたような笑い方だって千鶴だから許せるし可愛いと思うんだ。

自分は興味なんてない川釣りだって文句いいながら最後まで付き合ってくれる。



その優しさは


俺だけのものじゃない。





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