ハムパンマン
空間内は瞬時に粉末で満たされ、ハムおじさんは顔に多量の小麦粉を浴びて、顔を僕から背けた。







怯んだ隙を見計らって後ろに回り込み、チョークスリーパーで再び首を絞める。








フッと右手の力が抜けた。








見ると僕の右腕は切断され、傷口からはフレッシュな鮮血が蛇口のごとく噴出していた。









形勢は逆転し、僕はテーブルに押し倒され、ハムおじさんは僕の上に馬乗りになった。









ハムおじさんは目を血走らせながら、握りしめた包丁を僕の心臓に振り下ろす。









そんな時だった。








そんな絶望的な状況の中で、僕はまったく別のことを考えていた。





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